【ヴァザーリ (ジョルジョ・ヴァザーリ)】
[生涯]
イタリアのアレッツォ生まれ。1529年、ローマを訪れ、ラファエロらの作品に学ぶ。のちにメディチ家のトスカーナ大公 コジモ1世(1519年-1574年)お抱えの芸術家となった。現在は美術館になっているウフィッツィ宮殿も手掛けている。
ミケランジェロを中心にルネサンス期の芸術家の評伝を書き、これは美術史の基本資料になっている。『画家・彫刻家・建築家列伝』は1550年に出版され、チマブーエからミケランジェロまで芸術家133人の作品と生涯を記している(1568年の第二版では30人を追加)。この中で「再生」 (rinascita) という用語を用いており、ヴァザーリが中世とは異なるルネサンスの時代を強く意識していたことが示されている。また、1563年には美術アカデミー、アカデミア・デッレ・アルティ・デル・ディゼーニョを創立する。1572年からフィレンツェ大聖堂ドーム天井に『最後の審判』のフレスコ画を描くが、1574年逝去(天井画は1579年に完成)。
[絵画]
ゲッセマネの祈り(1570頃)
・ゲッセマネの祈り(国立西洋美術館蔵)
・市庁舎(ヴェッキオ宮殿)壁画「シエナ攻防戦」等 レオナルド・ダ・ヴィンチの未完成の壁画「アンギアー
リの戦い」と、ミケランジェロの未完成の壁画「カッシナの戦い」の上に描いたとされている。
・ストゥディオーロ(ヴェッキオ宮殿内の小書斎)壁画
・フィレンツェ大聖堂ドーム天井画「最後の審判」
[建築]
・ウフィッツィ宮殿(1560-)
・ヴァザーリの回廊(ウフィッツィ美術館とピッティ宮殿を結ぶ回廊)
・フィレンツェ (フランス)官庁舎(現ウフィッツィ美術館)
[著作・伝記]
・『画家・彫刻家・建築家列伝 Le vite de' piu
eccelenti pittori, scultori e architettori 』
・日本語訳(抜粋版)は、各白水社
・『ルネサンス画人伝』(1982年)、『続 ルネサンス画人伝』(1995年)
・『ルネサンス彫刻家建築家列伝』(1989年)
・『芸術家列伝』白水Uブックス 全3冊。(2011年)
・全訳版 『 美術家列伝』、森田義之ほか監修、中央公論美術出版
全6巻。2014年~。
・ロラン・ル・モレ 『ジョルジョ・ヴァザーリ-メディチ家の演出者』、平川祐弘・平川恵子共訳、白水社、
2003年
・『ルネサンスの演出家 ヴァザーリ』、樺山紘一・稲川直樹ほか4名、白水社、2011年
・ラウル・コルティ 『ヴァザーリ』、岡田温司訳、京都書院〈カンティーニ美術叢書5〉、1995年
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